この男、偽装カレシにつき

え?


訳が分からず、きょとんと見つめ返す私に、大野センパイはため息をつく。


「隼人のこと見すぎ」


その不満げな顔、まさか嫉妬?


イヤイヤイヤイヤ。
そんなの、するだけ無駄。
私とコイツの間には、ラブなんてかけらもないんだから!


「隼人も絡むなよ。
そんなに未練あんの?」


大野センパイの口から飛び出した予想外の言葉に、私は耳を疑った。


未練?
橘センパイが、私に??


んなモンあるわけないって!
大野センパイってば、どんだけ私を買い被ってんですか!


「俺が、コイツに未練だ…?!」


橘センパイは不機嫌さマックスで大野センパイを見返す。


ほうらね。
この二股オトコに、そんないじらしいとこあるわけがない。