この男、偽装カレシにつき

ちょっとは大野センパイを見習ってもらいたいもんだわ。
私は目の保養に大野センパイに視線を移す。


清潔感のある髪型。
ゆるみ過ぎない制服の着こなし。
ピアスを開けない男気。


三拍子揃って今日も爽やか。
アイラブユーです。


なんて、私がようやく気を取り直してウーロン茶を口に含んだとき。
龍センパイが本日二発目の爆弾をかましてきた。


「チエちゃんて胸デカいの?」


ブーッ!
今度は吹き出しちゃったよ。


橘センパイが「汚ねーな」と半ギレで睨む。


良かった。
かかったのが爽やか大野センパイじゃなくて、コイツで。


じゃなくて!
龍センパイ黙ってて下さい!
昼間っからオヤジのようなエロトークは、そろそろ終わりにして下さい。
恥じらいのある乙女の心臓は、もうもちません。