この男、偽装カレシにつき

念願の指輪を貰ったと思ったら、すぐに振られたり。
と思ったら、あっさり理想の新カレが出来たり。


色んなことがありすぎて混乱してるにも関わらず、ちゃっかり龍センパイの手料理までごちそうになった後。


ようやく帰り支度を始めた私に、純ちゃんがぽつりと言った。


「誰と付き合おうとアンタの勝手だけど。
選んだからにはきちんと責任持ちなさいよね」


「え?」


靴を履きながら振り返ると。


「大野センパイのカノジョなんだから、いつまでも他の男にもらった指輪を嵌めてるなってこと」


純ちゃんは私の左手を指差してそう言った。