この男、偽装カレシにつき

「つまりチエちゃんの話をまとめると。
隼人は、好きとか愛してるとか、ちゃんと言葉にしてやらないクセに、」


私はコクリと頷く。


「人一倍嫉妬深くて、」


私はコクコクと頷く。


「しかも、結局初恋の君を忘れられない、と」


その言葉に、私がコクコクコクコクと頷くと。


「そんな男の一体どこがいいワケ?」


隣で聴いていた純ちゃんが最大級のため息をついた。


確かに改めて聞かれると、いいとこが一つも浮かばないわ。
最近は泣かされてばっかりだったし。


何であんなヤツ好きなのか、分からなくなってきた。


やっぱり毒が回ったとしか思えない。
恐るべし、エロ毒!