「誰だお前?」


眉間に皺を寄せながら私を見下ろす男に、私こそ聞き返したい。


何で私の目の前に立ってるの?
何で大野センパイのマフラー巻いてるの??
ていうか、そもそもアンタ誰???


睨み合って固まってしまった私たちの横に立っていたもう一人の学ランが、目の前の男の肩をポンと叩いた。


「…隼人。
俺、先に行っとくな」


そう言った彼を見て私は愕然とした。


だって。
その人こそが、私がずーっと憧れ続けた大野センパイだったんだもん。