この男、偽装カレシにつき

うっっ。
センパイを見て、私は息を飲む。


どうせ何でも着こなすだろうとは思ってたケド、あまりの似合いっぷりに思わずガッツポーズをとってしまう。


選ぶのに付き合ってくれた純ちゃんに愛想尽かされたケド、それだけ迷った価値はあったみたい。


唯一、周囲の女子の視線をさらに集めてしまいそうなのは想定外だったケドね。


「お前にしてはナイスチョイスだな」


センパイはマフラーをしげしげと見ながらつぶやく。


あれ、意外と素直じゃん。
腹黒いから黒にしたことは黙っておこう、なんて思ってると。


「おかげで、もう変な女に俊介と間違われて告られずに済みそうだ」


センパイは意地悪な顔をして、そんな憎まれ口を叩いた。