この男、偽装カレシにつき

「何だそれ」


「何って…。
どう見てもプレゼントでしょーが!」


眉間に皺を寄せるセンパイに、思わず突っ込む私。


このリボンが目に入らないのかっつーの。


まさかイブだって忘れてないでしょうね、と若干疑いつつ、私は包みを差し出した。


「オマエの『いいもの』は、どうも信用できない」


なんてセンパイはしばらく訝しげに眺めた後、ようやく包みを開け始める。


こっちは一生懸命選んだのに、全く失礼なヤツ!


センパイが中から黒いマフラーを取り出すと、私はすかさずそれを奪い取る。
そしてヤツの首に(若干の怒りを込めて)くるくると巻き付けてやった。