この男、偽装カレシにつき

連続で否定されて苛立ちが最高潮に達したセンパイは、


「俺は腹が減ってんだよ。
絶対、次の店に入るからな」


顔に青筋を立てながら、私をその向かいの店に引っ張って行った。


って、オーイ!
寄りにもよって、牛丼屋かい!!


せっかくのデート、しかも恋人たちの愛を確かめるイブだっていうのに、何ていう暴挙に出てんすかーっ!!


いや、確かに牛丼はうまいケド、イブに食べるものとしてはチョイスがおかしいでしょ。


何が悲しくて牛丼食べなきゃいけないの?


手を引かれるまま仕方なくカウンターに腰を下ろすものの、周りにはもちろんカップルなんていない(そりゃそーだ)。