この男、偽装カレシにつき

しまったーー!
なんという大失態!!
ガックリと肩を落とす私に、


「似合ってんじゃねーの?」


衿元から値札を外しながら、橘センパイが不敵に微笑んだ。


えっ?嘘っ!
この毒舌オトコからお褒めの言葉をいただいちゃった!!


純ちゃん、トータルコーディネートありがとう!
今度何か奢るわ。
なんて頼れるアネゴに感謝してると。


「俺的には、もっと丈が短い方がいいケド」


橘センパイは何のためらいもなく私のワンピの裾をめくろうとする。


何だその、ヤンチャすぎる手はー!!


慌ててその手をひっぱたくと、橘センパイは悪びれもせずに不機嫌そうな顔をこっちに向ける。


「何すんだよ」


それはこっちのセリフだっつーの!