この男、偽装カレシにつき

照れながら大野センパイに撫でられた場所に触れていると。


橘センパイはいつもよりいっそう眉間に皺を寄せて私を見ていた。


マズイ!
『相変わらず気の多いオンナ』って顔に書いてある!


「違いますよ!!
大野センパイは、好きとか嫌いとかの分類じゃなくて、『大野センパイ』って特別なジャンルになっちゃってるっつーか。
だから、気があるとかそういうんじゃ…」


「何も言ってねーよ」


橘センパイは仏頂面でそう言った。


ちょっと待って。
その反応って、もしかして。


「まさかとは思うけど、嫉妬してます?」


恐る恐る聞いてみる。