「ふざけんな。
行くよ」


橘センパイが私の手からチケットを引ったくった。


「え?」


何それ。
さっきはバイトだって断ったクセして調子いいヤツ。


大野センパイはそんな橘センパイに苦笑しながら、


「良かったね」


そう言って私の頭を優しく撫でると、教室を出て行った。


もしかして。
大野センパイってば、橘センパイを映画に行かせるためにあんなこと言ったの?


うわ。
結構やり手…。


じゃなくて、頭撫でられちゃったよ!!


免疫のない私は、この程度のボディタッチで瞬時にキャパオーバー。


この間の告白(?)から豹変しまくりの大野センパイの態度に、まだ慣れない。
いちいち焦る。