わーい。
私も丁度甘いもの食べたかったんだ、じゃなくて!


「ハイ?」


「だから並んで来い」


チガーウ!
もう一回言えっつったんじゃないわ!
何で私がアンタのために、この長ーい列に並ばなきゃならないのかって聞いてんの!


「こういうの並ぶのは女子って相場が決まってんだよ」


センパイは、ベンチで待ってるから、なんて言い残して行ってしまった。


くそぉっ!
私は並ぶ要員だったのか!
デートかもしれないとほんのちょっぴり期待しちゃったのに。
手を引かれてちょっとときめいてしまった時間を返せー!


あの甘党ヤロウ、もしかして私の恋心に気付いてんじゃないの?
そんでもって利用してやろうって魂胆なんじゃないの?


イヤ。
落ち着くのよ、私。
私自身、昨日までこの気持ちに気付いてなかったんだから、勘のいい橘センパイとは言え、バレてるはずなんて絶対ナイわ!