この男、偽装カレシにつき

…ブーブー。
いつの間にか寝てた私は、制服のポケットに入っていたケータイのバイブで目を覚ました。
着信の相手は純ちゃんだ。


「チエ、まだ橘センパイん家にいるの?
大野センパイたちと夕飯食べてたんだけど、盛り上がっちゃってさ。
チエもおいでよ」


何それ!
大野センパイとご飯なんて、純ちゃんてば抜け駆けじゃん!


「待ってて、もちろん行く!
今どこにいるの…」


二つ返事しながら立ち上がったとき、私は何かに引っ張られるように、つんのめった。


見れば熟睡してる橘センパイの手が、私の制服の裾を掴んでる。


へっ?
いつから掴んでるの?


もしかして、寝入ったときからずっと…?
途端に私の顔はボンッと火を吹いた。