この男、偽装カレシにつき

オーイ!
アンタが30分以内って言ったんでしょうが!


そう突っ込みたいのはやまやまだけど、相手は病人(しかも風邪の原因は私)。
ここは下手に起こすより、起きるのを待つしかない。


一通りセンパイの部屋を眺めてみたけれど、キレイに整頓されていてダメ出しのしようがないのがなんか悔しい。


部屋を眺めるのにも飽きて、仕方なくセンパイの寝顔に目をやると、無意識のうちに唇に目が行ってしまう。


キス…したんだよね。
偽装カノジョになったとは言え、まさかコイツとそんなことになるなんて想像もしてなかった。


資料室から出たあとも、センパイは腹が立つくらいいつも通りで。
ファーストキスを奪ったくせに、むしろ怖がる私をなだめてやった、みたいな上から目線。


なんてヤツ!
ロマンチックに夢見てたファーストキスを返せっつーの!


そんな怒りの念が届いたのか、その瞬間センパイがバチっと目を開けた。