この男、偽装カレシにつき

暖かーい。
生き返った気がしてきた。


この間も思ったけど学ランて結構暖かいのね。
学ランにこんなに感謝する日が来るとは思ってもみなかったなぁ、なんてトボケたことを考えていたとき。


バチッ!
嫌な音が鳴ったかと思うと、一瞬にして辺りが暗闇に包まれた。


「キャーー!!」


私は思わず橘センパイに抱き着いてしまった。
だって私、極度の鳥目なんだもん。
突然真っ暗になったら、何も見えないっつーの。


どうやら資料室の電気が突然切れてしまったみたいだ。


聞こえない振りしてたけど、あの嫌な音はやっぱり電気の切れかけた音だったんだ。