白我side
「……何笑ってんだよ」
ガタン、椅子から立ち上がって拗ねたように言った優哉。
ああコイツ、こんな顔も出来るんやな。
笑いながらも一人、そう思っていた。
優哉はあまり感情を表に出さない。
俺が見た優哉の表情は………あれ、ほとんどが“めんどくせえな”って顔やったわ。
たまーに、人を弄るときにニヤッと笑うことはあった。
もう少し、感情だしてええねんで?
つかなんや…お前、男なのに俺キュンきたんやけど。マジなんなん!?俺はホモやないねんで!!
そう思いながら、俺は優哉に笑いながら謝った。
「ごめんて!そやかて、優哉が悪いんやで?真顔でそないなこと言うから」
「はあ?本当のことだろーが」
「やっ、て…お前っ!プリ、ティ…!」
ごめんな優哉。やっぱりこの込み上げる笑いには勝てへんわ。
そんな俺の様子に、優哉は諦めたのかため息を零しながら席に座った。
そんな呆れんでー?
俺悲しい!泣いちゃう。そう伝えると酷く冷めた目で見られ……俺は心を痛めてしまった。
優哉怖ーい。
「でも、これで優哉がダサ男って言われることはなくなりましたね」
「うん!堂々と僕らといれるねー!」
藍鬼の言葉に分かりやすいくらいに喜ぶ魁斗。まあ、確かに俺も嬉しいけど!
俺も恭弥も皆、優哉に対する言葉にイライラしていたところだった。
だから、ちょうど良かったといえばそうなのかもしれない。
でも、少しだけ…。この優哉の素顔を女子に晒すのは勿体ないな、と思っている自分もいた。
白我sideおわり
