孤独な美少女





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「総長っ!」





穏やかな空気が流れていた幹部室。


突然、下っ端の焦った声と共にドアが開いた。





「……なんだ」




瞬時に幹部全員が“蝶華の顔つき”になった。


あたしも声を低くし、下っ端に問う。





「何処かの族が奇襲に…」

「“何処か”?」

「すいません…見たことない族です。全国レベルじゃすぐ分かりますから」




下っ端の言葉に顔を歪める。


見たことない族だと…?


そんな族が何故、蝶華に…?



様々な疑問が悩に飛ぶ中、あたし達は下っ端と一緒に下に降りた。




「総長!!!」

「…は…?お前ら…」

「コイツら、強いです!」




下に降りたあたし達が見たものは、見たことのない顔の奴らが、うちの下っ端を次々と殺ってるところだった。



蝶華は下っ端でも、その辺の族の幹部並に強い。


そのはずが、何でこんなにやられてんだよ。何者だよ、コイツら。



あたしは一番近くにいた奴に近づいた。




「お、あんたが総長だろ」

「……てめえら誰だ」

「んー、知らないと思うけど。“隠蛇”って言う暴走族」





隠蛇…?知らないな…。


マジで誰だよ…。





「今日はー、蝶華っつか総長サン、あんたに潰れて貰うから」




そう言ってソイツは構えた。