あー楽しい。確かに俺って、Sなのかもしれない。
そういえば、蝶華にいたときも……。
「優哉?」
「あ!?…いや、」
「ボーッとしてたぞ?」
はあ、また蝶華…。
まだ離れて何ヶ月も経ってないのに、少しのことで思い出してしまうなんて。
俺も、未練がましい奴だな…。
自分から手放したって言うのに。
……すると。
「なあ、昨日はどこ行ったんだ?」
勇汰が、俺の一番聞かれたくないことを聞いてきた。
説明のしようがないんだけど。
「は?何が」
「だって昨日電話してたと思ったらすぐ帰るとか言うし」
「……あはは。か、かの「絶対ぇ嘘だろ」じょ…ちっ。なんでだよ」
恭弥め…俺の言葉遮んなよ。
俺は恭弥を睨んだ。
「お前、電話の相手と真剣な顔して話してたじゃねえか」
「……っそれ、は…」
ヤバい、困った。
どうしようか………、仕方ない。
「電話の相手は親父だよ」
「え、パパさんだったの?」
「…魁斗、直接俺の親父に“パパさん”なんて言ったら多分…お前、死ぬぞ」
「えっ!?やだ!」
だって組長、だし。
まあ、普段はただの馬鹿親父だけどな。
「ま、だから親父と会ってたわけ」
「…へえ?」
うん、嘘は言ってねえぞ。
