そう言って俺はケータイを白我に渡した。
目を輝かせてケータイを受け取る白我、そしてそれをまた目を輝かせて見る魁斗。
「ゆ、優哉の彼女さん!?」
「はい。そうですけど」
「名前何て言うん?」
「んーと、梨花です」
順調に彼女に成り切ってくれている梨花と、完全に騙されてる白我達。
けっ、いい気味。
「梨花ちゃんかあ。可愛い名前やんね。ところで……優哉の何処が好きになったん?」
「えっ!?」
はっ!?そんなこと聞くのか!?
つか何て答えんだ!?
何気に気になってたり、する俺。
「え、えっと…一目惚れです」
ぅお。マジか、そうくるか。
「一目惚れえ!?何々?」
「あたし…男の人達に、その…絡まれて、その時に助けて貰ったんです…」
興奮しながら聞く魁斗に、少し照れた様子で言った梨花。
ああ、あの時のことね。
確かに助けたけど。
するとそれを聞いた白我と魁斗はニヤッとした顔を俺に向けてきた。
「そうなんや~。優哉もやるんやなあ」
「ね~、クールで面倒臭がりっぽいのに、ねえ…?」
ウザい。とてつもなくウザい。
「なあ、もういいだろ。梨花が困るか、ら……なんだよ?」
「べっつにぃ?」
「そうそう。“梨花”なんて呼んじゃってえ!」
あー…イラつく。
仕方なく、俺は白我の持ってるケータイを奪い取った。
