「キャーッ!」
「佐賀野サマー!」
途端に騒がしくなった教室内。入って来た奴らは佐賀野や真辺達だった。
そりゃあんなイケメンだったら、騒がれるわな。
それも、俺の前に佐賀野、その隣に真辺。
俺の後ろに藤堂、その隣には、西神。
そして通路開いて隣が天海。
……絶対後ろうるせえよな。最悪だ。
「あれ、優哉くんじゃないですか?」
「(気づかれた…)どーも…」
真辺が俺に気づいて近づいてきた。
自然に眉が寄る。
別に近づいてくることはどうでもいいんだ。
俺が嫌なのは、このイケイケの美形集団がダサ男に近づくことで煩くなる女子。
「え、真辺サマ、アイツと知り合いなの?」
「えー!?あのダサ男と?」
「マジ調子乗んなよな」
ほらな?うるせえだろ。
出来れば無視して席に座って欲しかったんだけど。
「優っ哉ー!俺、またお前と嬉しー」
「……ウザッ」
「何で俺だけその態度なん!?」
「優哉酷ーい」とか何とか言っている西神は完全にスルーしている俺。
そして、先生が入って来た。
「…………ん?」
どうしてか、知ってる人に見える。
いや、気のせい…だよな…?
目を凝らしてもう一度よく見てみる。
やっぱり、その人は俺の知ってる人だった。
「コウ…」
思わず呟くと、その人はバッとこっちを見て、驚いた顔をした。
「……優、さん…」
