「知りません。違いますよ。」
「絶対違わないって!」
「知らないものは知りません。」
「知ってるってば!」
「人違いですよ。」
「人違いじゃないって!!」
「違うっつってんだろうが!!」
あ。
サーッと血の気が引くのを感じた。
やばいやばいやばいやばい。
これじゃあ見た目と言葉が合ってなさすぎる。
この学園での僕は
ガリ勉、地味、真面目でイケてないダサい生徒。
…今、僕はなんて言った?
“違うっつってんだろうが”?
しかも若干ドスのきいた
いかつい声…。
いやいやいや!
真面目なガリ勉少年はそんなこと言わないぞ!?
「やっぱりあのときの声だ!!西園寺湊なんだな!」
嬉しそうに笑顔を向ける水城悠真。
…ほら。
嬉しがっちゃった。
