「すみませんが僕はそういう趣味は…」
「いや、本当に違うんだって!ただ……なんで湊がここにいんのかなって。」
「ここはたまたま学園内を歩いてたら見つけただけで…」
「違う、そうじゃない。…西園寺湊…。西園寺ってもしかしてあの西園寺グループの息子じゃないのか、って事だよ!」
「な、」
んでこいつ…
知ってんだよ…。
僕はこいつとこの学園以外で会ったことはないし、この学園に入ったことも身内でさえ限られた人しか知らない。
じゃあなんでだ?
どうしてお前は僕が1年以上必死で隠してきた秘密を知ってるんだよ。
どうしてバレた?
「なぁ、そうだろ?合ってるよな。」
「…はは、人違いなさってますよ。僕があの西園寺グループの人間なわけないでしょう。」
「でも俺たちと同じ歳の三番目の息子がいるはずだろ!」
「その人は公の場に顔を出さない事も有名な話ですよ。」
「いや、俺にはわかるよ!お前は西園寺の三兄弟の三番目、西園寺湊だろ!?」
「だから違うと言っているでしょう。」
「絶対そうだ!俺は前に西園寺湊に会ってる!」
は?
僕は水城ホールディングスの一人息子になんか会ったことないぞ。
本当に誰かと間違ってるんじゃないのかこいつ。
