なんで僕が自己紹介なんか…。
そう思ったが、
またいろいろ突っ込まれても面倒だ。
ここは大人しく言っておいた方がいい、という考えにたどり着いた。
それにこいつにだけは逆らってはいけない。
すべては波風を立てないため。
「2年3組…西園寺湊。」
「3組か。俺は1組だ!よろしくな。よし、もう友達だし湊でいいよな!?おれも悠真でいいから!」
「…はあ…。」
「なんだよ〜。俺は今日、お前…湊に話があって来たんだ!」
ニカっと眩しいくらいに笑う水城悠真。
その笑顔はなにかいいイタズラでも思いついた小学生のようだ。
こいつ、嘘とかつけなそう…。
「…何でしょう。僕なにか気にさわるような事しましたか。」
そんなはずはない。
僕は波風が立つような失態は起こさないし、まずこんな目立つやつと関わりを持たない。
「いや。俺実はさ、前から湊のこと気になってたんだよ!」
「…は?」
おっと危ない。
つい本音が。
「あっ違う違う!今のは別にそういう…本当に変な意味じゃないんだ!」
「…はあ。」
なんなんだこいつ。
こういう趣味のやつだったのか?
