「え?なに要求って。俺は別に脅すとかそんなつもりは全然…」
「そうですか。それはありがたいです。ではもう用はないですよねさようなら。」
なんだ。
普通のやつからしたら、こんなおいしいスキャンダルないのに。
それを利用しないなんてこいつはよっぽど人がいいのか頭が悪いのか天然なのか……
まぁいいや。
とにかく“この事実”をバラす気がないならそれでいい。
僕には好都合だ。
さっさとここを出て
あの広い校舎内に消えれば見つかることもないし。
僕は一刻も早く出ようと思い、足を進めた。
「あっ、おい!待てよ!!」
…またか。
なんだよ今度は。
「なんですか。もう用はないでしょう。」
「あのさっ…お前、俺たちの部活に入らねえ!?」
「…は?」
なんだ部活って。
そんなお前が入ってる部活にわざわざ誰が入るか。
目立った活動なんてしなくたって、こいつがいるだけで注目されてしまうのは容易に想像できる。
「丁重にお断りさせて頂きます。」
