「売ったんじゃないよ!別れたんだよ!」
「あ~、はいはい。」
真希は呆れ顔で私をあしらった。
そして2人で歩きながら
教室へ向かっていった。
その途中、真希が、
「…美沙はさぁ、せっかくオタク卒業したんだからさ、恋とか…したいと思わないわけ?」
「んー…別にオタク卒業したわけじゃないけどね。今でも少年漫画とか読みあさってるしね(笑)」
「そうだけどさぁ~…」
…でも、まぁ。
「恋…、したいよ。…でも、オタクっていうのを隠して誰かと付き合ったりしても、絶対いつかボロ出ちゃうだろうし。」
…そのへんは真希も
分かるんじゃないかな。
私に言われて、真希は黙ってしまった。
「…いつかさ、本当の私達を心の底から好きになってくれる人が現れたらいいよね!」
私がにっこり笑うと、
真希も「そんな簡単にはいかないけどねっ!」と言って笑ってくれた。
話していると、教室に着いた。
すると、私達の後ろから
また誰か入ってきた。

