王龍×姫龍




彼方を殴ってもいいだろうか。
うん、みんな許してくれるよそれくらい。
許してくれるよ。


「今日はよく泣くじゃねぇかよ」


『………泣いてなっ、い』


もう疲れたよ。泣くのも考えるのも全部。



「俺がここまで待ってやったのに何も話さねぇとかなしだからな。」


最初からそのつもりだったんだろうなこいつ。


「話せよ、全部。この俺様が全部聞いてやるからよ」


やっぱり彼方は彼方だよね。
曲げない。相手がどんな時でもその偉そうな態度は変わらないのに。


もう言い訳しても無駄だね。
話すよ、全て。
優しいから話してやるよ、泣きながらでも。


『ちゃんと聞いとけよ』


泣きながら笑ったら彼方は勝ち誇ったように笑って、また私の涙を優しく拭った。