王龍×姫龍





顔を上げてその何かを確かめるとそれは、彼方が着ていた前開きのパーカーだった。




「んな不細工な泣き面、他の奴に見せらんねぇだろ」



ぶ、不細工…。
なんて失礼な事を。でも確かに泣き顔を皆に見せる訳にはいかないしばれたくもない。
…ん??ばれたくも…。



『バレンタインがぁぁぁ!!!あぁどうしよどうすればいいんだ!バインダーはどうすればいいんだー!!ばれたぁ』




かっかかか彼方に泣いてる事ばれたぁ!!最悪だ…。


「あーうるっせぇなぁ。静かにしろチビ」



私はこんなに慌ててるというのに彼方はいつものように受け流す。
なんか私が子供みたいじゃないか。くそぉ、何だよ何だよ!!またポロポロと涙が溢れだす。


あぁ~もぅ~!!!私は昔から一度泣くとかなり涙もろくなってしばらくは洪水警報が発令させる。
泣いたのはかなり久しぶりだけどそれは相変わらず変わってないんだね。