王龍×姫龍



時計を見ると針が12を指していた。もう昼じゃん。寝すぎたな。正確に言えば気絶し過ぎただけど…。


早くチャイムならないかなぁ。
今日は4時間で今の授業が終わったらすぐ帰れる。

それにしても、眠い。
私どれだけ寝れば気が済むんだろうね。でもさ、寝てたらすごく楽で…。
あぁほんと

『眠い』


キーンコココココッ

鶏チャイムが授業の終わりを告げる。ぞろぞろと皆が帰って来て自由に帰って行く。私も帰ろ。
どうせ置き勉してるし鞄はいいや。手ぶらで帰ろ。



周りの視線を浴びながら階段を下りる。瞳のお陰で随分な有名人になってしまった。もしかして私今ハリウッド女優並みに人気…いや、ハリウッド女優を超えてしまったかもしれない!!!

私ってば、罪な女ね。
やっぱ女優って言ったらサインでしょ。ほら皆、遠慮せずに言ってごらん??


サインを下さいん って。

ふふふっ我ながらniceなギャグ。
…あれ?なんでだろ。いつもなら嫌でもにやけてしまうのに。おかしいな、笑えない。niceなギャグだったのに。
それになんでこんなに、泣きそうなんだろ。
悲しくない、辛くない、痛くない、怖くない、何もないのに、何で?


そんな考えを無視してじわじわと瞳が潤んでいく。絶対泣くなよ馬鹿野郎。お前に泣く資格なんてないんだからな!!それにまず私のエベレスト並みに高いプライドが人前で泣く事を許さない。私のプライドは毎回変な時に高くなる。


お前に涙なんて似合わないぜベイベー!!

心の中でそう叫びながら階段を下りた。
あっ!!女優歩きで降りればよかった……。