…プルルルップルルルプツッ

[もしもし]

『もしもし和樹?蓮愛だけど、学校終わったよ。』

[お疲れ~。じゃあ迎えに行くからいつもの場所にいてね]

『あいよ~』

ピッ 
よし、行くか。

私はたまにすぐ家に帰らずに寄り道をする。その場所に行くのにお迎えが必要だから行く日は携帯常備。
いつもの場所っていうのは学校を出てすぐの坂を下ったところの死角になっている所。ここなら誰にも見えない。
しばらく待っていると黒塗りの車が来た。

「蓮愛ちゃん。乗って」

『うん、いつもありがとね』

お迎えに来てくれたこの人は倉崎和樹。すごく優しくて頭がいい。そして私より先に車に乗っていた…

『蒼也何してんの?』

「あ?車に乗ってる」

…うん。それくらいマヨネーズでもわかるよ。って違う違う。
こいつは篠塚蒼也。クールで完璧フェイス。いわゆるイケメン。

『それくらい私にもわかるよ。何で蒼也も来てんの?』

「わりぃのかよ」

『いや悪くないけど…』

質問には答えないのね。まぁ別にいいんだけど。

「蓮愛ちゃん、今日は皆来てるよ」

『マヂか!?何か久しぶりだなぁ』

「皆寂しがってたよ」

『嘘だぁー。ありえんし』

ここ最近は全然行ってなかったからなぁ…。
たまり場に。