私達はバイクでたまり場に向かった。
風が冷たくて気持ちいい。なんかスカッとするね、うん。今度皆で走りに行こうかな…。

そんな事を考えているとあっという間に着いた。

「ここかぁ、ボロッ」

「ボロいとか言わないの」

『警告だけしてとっとと帰るよ』

「はーい。じゃあいっきまーす」

――バァンッッ

千夏がドアを蹴飛ばしたと同時にもの凄い轟音が響き渡った。

「おじゃましま~す」

彩乃の小馬鹿にしたような声を聞いた鬼虎の奴らはガンを飛ばすと共に怒声を上げた。

「てめぇら何処のもんだ!!」
 
「俺らなめてんのか!!!」

「ヤられてぇのかゴラ」

おーおー興奮しちゃってまぁ。でもいい加減…煩いよ。

『ちったぁ黙れや。こっちが喋れねぇだろうが』

たまり場が静かになった。やっぱビビりだね。

「…話っつーのは簡単に言うと調子のんなってこと。お前ら最近うちらんとこの縄張りで好き放題やってるよね?それをやめろって言いに来たわけ」

そうそう、そういうこと。彩乃すごいなぁ。私だったら絶対噛んじゃうよ。

「これ以上好き放題やるなら私らも黙ってるわけにはいかない。話はそれだけ。あ、言い忘れてたけど私ら姫龍だから。はい、じゃあね~」

大事な事は全て彩乃が言ってくれた私と千夏役目ない。…私総長だよね?

話が終わったから私達はたまり場を後にした。


彩乃が姫龍って言った時、鬼虎の奴らが青ざめた顔をしていた事に視力の悪い私は気付かなかった。