「てめっ…何しやがる、いてっ」

『ざまぁみろ!猿めが。復讐だこの野郎』

私に散々やられた彼方が大人しくしてるはずがない。それくらいわかってたよ。でもさ、私一応女だよ。

「調子のってんなクソアマがっ」

『っ!彼方!!あんた一体何す…』

いきなり彼方に突き飛ばされた私は見事に後ろに吹っ飛んだ。…が倒れる事はなかった。なぜなら

「いらっしゃ~い」

『ぎゃぁぁぁぁぁぁ』

私のけたたましい叫び声がたまり場に響き渡った。
何すんだこのエロ男!突き飛ばされた私を後ろから受け止めて抱きしめてきやがった。

『離せ、このエロ湊人!』

「お前から来たんだろ~照れるなって」

『照れてないわ!いい加減離してよ』

何なのこのエロ野郎。
あー…何か疲れてきた。疲れてきたのに、

「何おめぇらだけで楽しんでんだ!俺様も混ぜやがれ!!」

はい、ここで猿キターーー。
何だ、何する気だこいつ。まさか私を持ち上げてダンベルの代わりにするつもりか!?まぁ結構鍛えられるけども。

『彼方何する気…どぁぁぁぁ』

痛い痛い。私の肋とおケツが悲鳴あげてるよ。
このお猿はいきなり私に突進してきた。湊人はそれを予知していたのか避難済み。
私は吹っ飛んだと同時に床におケツを打ち付け彼方に肋を締めあげられた。

『いったーい。痛い痛い!!おケツと肋がぁぁ!!』

おケツと肋が殉職するだろう、そう思っていた。

「彼方、いい加減にしろ。蓮愛ちゃん大丈夫?」

神は私を見放してなかった。天使和樹が舞い降りたのだ。
天使和樹は悪魔猿彼方をどかすと私の腕を掴んで起こしてくれた。

『ああ、和樹が眩しい』

「よくわかんないけど大丈夫?どこも痛くない?」

『天使和樹を見た瞬間痛みなんてぶっ飛びました』

「そ、そっかよかった」