「いいかい?よく聞きな、丹下君」

暁は言う。

「野球部は甲子園に出場して優勝する為に努力してる。サッカー部は国立のピッチに立ってプレーする為に努力してる。みんな、いわば『自分の為』だよ。甲子園や国立に行く事で、誰かの命を救える訳じゃない。だけど私はそんな彼らを応援する。何でだか分かるかい?」

「……」

首を横に振る龍太郎。

つくづく頭を使うのが苦手だ。