天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ

立禅途中の龍太郎は、声にも反応せず集中している。

振り向いたのは拓斗のみだった。

「うぅ…寒い…」

見れば、翠の生地に麒麟の派手な刺繍の入ったチャイナドレスを纏った龍娘が、体を縮こまらせながら歩いてくる所だった。

どうしてこの人はもう少しあったかそうな服装で来ないのか。

「おはようございます、龍娘先生!」

「うむ、今朝も来ているな、橘」

強張らせつつも笑顔を見せる龍娘。

「で、橘…お前に立禅は早い…中国拳法の修業にも順序というものがあるのだ…というかお前は空手部ではないのか?丹下が今やっているのは中国拳法だぞ?」

「えっ?そうなんですかっ?」

武道武術に疎い拓斗は、そこら辺の違いもよくわかっていなかったようだ。

「何にしても基礎体力作りからだな…空手も中国拳法も、まずは体作りからだ」

龍娘は拓斗に別の稽古を提案した。