天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ

その挨拶に対し。

「『黒い龍』じゃないのね」

カリナは意味深な台詞を口にする。

「あ?」

思わず立ち止まって振り向く龍太郎。

カリナもまた、廊下の途中で立ち止まってこちらを見ていた。

「んだよ、黒い龍って」

「…私の知ってる丹下 龍太郎は、『黒い龍』だったわ…強くて、大きくて、荒くれて、手のつけられない『黒い龍』…こっちじゃそうじゃないのね」