立禅を中断して振り向く龍太郎。

そこには。

「あいたたた…」

屋上のドア、その段差に足を引っ掛けて転ぶ神逆 カリナの姿があった。

「…何やってんだ?お前」

「うっ、うるさいなっ、ちょっと転んだだけだよ」

軽く赤面しつつ立ち上がるカリナ。

彼女は確か、天神学園水泳部期待の新人として、特待生で入学したという話を聞いている。

となると、運動神経抜群、スポーツ万能というイメージが先行しがちだが…。

「私は陸の上は苦手なんだよ…歩くのだって躓くから嫌いなんだから…」

「お前はペンギンか」