「オバチャンすまなかったなぁ、学食のテーブルやら椅子やら引っくり返しちまった」

厨房のオバチャンに向かって頭を下げる建布都。

尤も、オバチャンも天神学園で学食を営んでいるほどだ。

この程度の騒動は慣れっこのようで、笑顔さえ見せている。

「さて…龍太郎」

腰に手を当てる建布都。

「そろそろ起きないか?どうせ大して効いてないんだろ?」

「えっ?」

傍らで見ていた拓斗が目を丸くした。

効いていない?

しかし龍太郎は、建布都の技を三連発で食らって大の字になっているではないか。