「ほーら驚いた!」
高笑いする淳を
見つめて茫然とする。
俺と同じ---琴音派?
高笑いしたまま淳は、
教室から姿を消した。
そりゃぁ、分かってたよ。
みんな琴音の味方だもん。
ハルも私なんか嫌だろう、
そう分かってたのに。
ああやって言葉にされると、
いきなり足場が無くなって
どこまでも堕ちて行く気がする。
***
授業はしっかり受けて、
淳の言葉なんか
気にしていない素振りを見せて、
夜、1人で布団の中で蹲った。
よく考えてみたら、
こんなに本気で人を
好きになったのは、久しぶり。
ずっと、
適当にこの人いいかも---最初の私がハルに向けていた感覚と同じだった。



