それと同じころ。 ある小さな部屋で、制服に着替えている少女がいた。 折角の暖かい日差しが降り注いでいるのに、カーテンは閉められている。 洗いたてのシャツに、少女の白く細い腕が通される。 黒く艶めく長い髪が揺れる。 彼女の名前は藤野咲。 現在中学3年だ。 制服を着終えた咲は鞄を持つと、部屋を出ていった。