香奈が視線を昂の向こうへと向けると、咲と淳が座っていた。 ベタベタとまとわり付くように話し掛けてくる淳に、咲は煙たそうにしている。 「香奈遅ぇよ!」 香奈に気付いた淳が声を掛けた。 香奈は苦笑いをした。 香奈、咲、淳、昂の四人は毎日こうして放課後に屋上に集まっている。 それを他の者は知らないだろう。 初めは咲だけが屋上に来ていたのだが、気が付いたらこの四人で集まるようになっていた。