「んーと、4代目まではホンマ名もしられないほど小さなチームやったんやけど、5代目に受け継がれたとたんメッチャ有名になったんやぞ。今じゃ、関東地方制圧!って感じ。」


屋上に向かう。


「んで、5代目総長はオレらと同い年。」


ギぃ・・


屋上につながる戸をゆっくり開けるゆっちー。


ブワァ~


少し強い風が、私とゆっちーの髪を大きく揺らした。


ガン


「いっだぁ!!」


私の隣でいきなり、声を上げるゆっちー。


カラン


ゆっちーの足元に中身が入った缶コーヒーが落ちた。缶が裂け中身のコーヒーがもれる。


「遅ぇーぞゆっちー。」


屋上にいた5人のうちの一人が、ゆっちーに笑いながら言う。


「しゃーないやろ!今日来たカナをみんなに紹介してやろうとおもってな!」


ふふん、と自慢げに私を前に出すゆっちー。


―――やめてくれ!ゆっちー私はあんまり、関わりたくないんだ!!ゆっちぃぃぃ!!


・・・。


10秒ほどの沈黙。


―――何よ、失礼じゃない??


「ふぅ~ん、お前にしたらやるじゃん!ゆっちー。」


この沈黙を破ってくれたのは、キレイな金髪の男。


―――か・・・・カッコイイ!うそ!こんなカッコイイ人っているの??


金髪の男はゆっくりと立ち上がり、私の顎をクイっともつ。


体つきもしっかりしている。


―――てか、顔が近いような気がする。