亜・・季・・・さ・・ん
次に俺の耳に響いた声は美香の声ではなかったけれど、透き通って、優しい俺の名前を呼ぶ声だった。
どんどんその声は俺に近付いてきた。
「亜季さん!」
そしてついにハッキリと聞こえた声は俺を夢から覚ました。
「んっ・・・」
目を開けると目の前にはあの美海の顔があって、俺を心配そうな目で覗きこんでいた。
俺は一瞬で状況を把握した。
俺の頭は美海の膝にのせられていて、まだあの海にいた。
膝枕か・・懐かしいな・・
俺はひさしぶりのその感覚に涙が溢れそうになった。
「亜季さん!!良かったあ・・・!」
美海は顔をパッと明るくして涙を目に溜め込んで嬉しそうな声を上げた。
なんで俺のために美海がここまで心配してくれるのかがわからなかった。
「なあ・・なんで美海は俺のために泣くの?喜ぶの?なんで俺を助けてくれるの?」


