へんてこカップル

「――です。」

ふぅー・・・。

やっと読み終わった!

めっちゃ噛んでもうたけど、まぁええや!これはこれで。

音読すんのに一苦労って・・・ホンマ、ウチってなんなんやろうな。


「はぁい、次は・・・隼人くん!続きを・・・・ってあれ?教科書ないんだっけぇ?あぁ、そっかぁ。今日転入したばっかりだもんねぇ。」

そりゃなくて当然やろ。

「んー・・・どうしようかしらぁ。あっ愛羅ちゃんに貸してもらいなさぁ~い。さぁ、読んでくれるぅ?」


「はい」


でも槙原隼人はウチの方に振り向きもしない。

ちょっとオカマ先生!!どうしてくれるんよ!!

うち、こう見えてもシャイやから無理やねん!

あああ、どうしよう!

「・・・・あの」


はっ槙原隼人が話しかけてきた・・・?


「ん・・・?」


苦笑いしかできなかったウチは、きっとキモい面してると思うわ・・・・。

「教科書、貸してくれない?」

初めてこっちを向いた、槙原隼人。

「え・・・・」

「あの・・・・」

「あ、ごめん!はい、教科書!」

槙原隼人は「ありがとう」も言わずに12ページを再び開き、読み始めた。