「…ズルいよ、ふみ。ズルい…」



さえが両手で顔を覆って、しゃがみこむ。



「……嫌われたくなかった。ふみは…気の強い女の子が好きだと思ったから、私みたいな性格だと、すぐウザがられるって」



「何それ。んなこと思ってたの?」



オレはさえと同じ目線になるように、しゃがみこむ。



まぁ、顔隠されてるし、目は合わないけど。



「ふみがいつも話してる女の子はかわいくてサバサバしてて…ふみは冗談で叩かれて嬉しそうな顔、してたし」



そんな言い方したら、オレ、変態じゃん。



「それに絶対私の方が気持ちが大きいって思って、頑張らなきゃって」



「頑張ってツンツンしてたんだ」



「………」



あ、黙った。