放課後になって、オレはいつも通り、さえの教室に行った。



いつもと違ったのは、迎えに行った時のさえの驚いた表情と、二人の間の距離と空気。



学校から駅近くの公園までの10分間、ほとんど何も話さなかった。



いつものように、公園に寄る。




――さえがオレのことを見てる。



「…ふみ…どっかでネジ落としてきたんじゃない?」



「いや?そんなことないよ。普通だよ」



「絶対おかしい!だ、だって」



オレの両腕と壁との間に挟まれた状態のさえ。



いつもと違う雰囲気のオレに、さえが戸惑っている。



怒ってたことも忘れてるみたいだ。



「――知ってる?オレがずっと望んでること」



「へ?」



突然の質問に、さえはきょとんとした表情をする。