「竜矢とはいちばん仲良くしてたんだから竜矢のことぐらいわかるわよ!」 「紀子…」 「竜矢は竜矢だからあたしが好きなのは片島竜矢だから!」 「ああ…」 「あたしだって竜矢のこと幸せにできるか自信はなかったんだから…」 紀子の目から涙が流れてきた。 「私もそうだった、でも今は違う…」 私は紀子に小さな箱を差し出した。