それから、知らない検査があっていれば、担当でなくても入らせてもらい、珍しい処置があれば勤務を交代してもらって見学したりした。



そうやって1人前の看護師になれるよう頑張った。



でも職場の飲み会があると、酔った勢いで「私、助産師したいんですよー。」と話していた。



不思議なもので、看護師の仕事も面白くなっていたし、すごく助産師をしたいと常に思っているわけではなかった。



なのに、口から自然に「助産師をしたい」と出てしまう。



自分でも不思議だった。




そうやって3年が過ぎようとしてたころ、産婦人科の助産師さんが定年退職されると噂で聞いた。


チャンスかもしれないと思ったが、自分ではどうしたらいいか分からなかった。



そんな時、看護部長に呼ばれ、助産師をする気があるかと聞かれた。


酔った勢いで言ってた言葉を病棟師長が覚えてくれていて、口添えしてくれたようだった。


そのことに感謝し、希望を伝えた。


これが就職して5~6年後だったら、躊躇したかもしれない。


ブランクがありすぎて、自信ないと言ったかもしれない。



「3年たったら一人前」。


就職して3年で声がかかったのも、不思議な縁だった。



そこから、産婦人科病棟に異動し、助産師として働く事になった。