2人が初めて出会ったのは、雪城市で一番低い山に
雪が積もってできた俺達の遊び場だった雪山







尋貴「悠歌!こっちこっち!」





悠歌「どこどこ!?」




尋貴「あっ!あそこだ!いた!」





俺が小4の頃、友達の尋貴(ひろき)と雪山で遊んでいた時に




悠歌「あっ…!」




かくれんぼをしていて尋貴が「誰か倒れてる!」と見つけたのが最初だった




悠歌「…女の子かな?」




そこには、ピンクの服を着た女の子が倒れていた




尋貴「誰だろ?…」




たぶん同い年くらい…




悠歌「とりあえず公民館まで連れていこう!」




尋貴「ああ!」




急きょ、近くにあった公民館に運んだ




悠歌「父ちゃん!」




父「悠歌!どうした?」




悠歌「この子!尋貴と雪山で遊んでて見つけたんだ!」




俺は父ちゃんに雪山でのことを話した




父「!?長さん!ちょっと来てくれ!」




父ちゃんは、ハッとして町長の長塚さんを呼んだ




長「どうした!?」




父「この子!さっき話した村崎さんの華美ちゃんじゃないか!?」




「村崎」という名字には敏感だった




長「あっ!なんでその子が!?」




「村崎」という名字は雪城市ではよく聞く名前だった




父「とにかく意識がないのですぐに救急車!」




どうしてみんなが村崎村崎って言うのか気になって父ちゃんに聞いたことがあった




悠歌「父ちゃん、村崎っていう人は偉い人なの?」




父「ん?そうだな。偉いし、ここら辺の山や土地の持ち主なんだ」




悠歌「ふ~ん…」




その頃はよくわからなかったが今となっては意味が理解できる




悠歌「父ちゃんあの子知ってるの?」




父「ああ、今日はあの子についての話し合いだったんだ。あの子は、村崎さんの一人娘で華美ちゃんていうんだ。」




悠歌「華美ちゃん?」



父「うん。華美ちゃんはこの前、家出してから行方不明だったんだ。ありがとな悠歌。」