リストカットをする人の気持ちはわかりませんでした。
もしかすると今でも理解できていないかもしれません。

私が初めて自分を切ったのは
薬が効かなくなってきてワインでワンシート安定剤を流し込んだ時でした。

詳しくは覚えていないけど急に悲しくなって
意味もなく泣いたのを覚えています。

涙が止まらなくて、ふと綺麗な手首が目に入りました。

その時は、死にたいという気持ちはありませんでした。
だけど衝動的に血が見たくてたまらなくなりました。

私は本来、血を見るのも痛いのも嫌いなのです。

だけど、何度も何度も切りました。
最初は力が入りませんでした。だけどだんだん強く、
気づくと私の左腕は傷だらけになっていました。

何故か、その時は痛みを感じず、その傷が愛おしくて舐めました。
私の味がしました。

だんだん痛みを感じ始めまた、悲しくなってまた泣きました。
その後は眠ってしまったみたいです。

その時の気持ちは本当にくわしく覚えていません。なぜそんな行動をとったのか自分でも謎なくらいです。

目が覚めると母がいました。怒られると思っていたけど何も言わず包帯を巻いてくれました。そしてそのあと、一言だけ
「もうあまり悲しませないで。」と言われました。
「また切りたくなったら母の顔を思い出すように。」とも。

だけど、きっとその衝動に駆られた時には
そんな余裕なんてないのだと思います。

何も考えられなくて、ただ本能のままに動いていたのだと思います。