神果の巫女と妖鬼







こんな私にも好きな人がいた…


お父さんが死ぬ一年も前。


私が、感情をなくす前の話だ。






?「郁ちゃん!」


かわいい声で私を呼ぶのは、

近所に住む棗ちゃんだ。

郁「どうしたの?」

棗「一緒に遊ぼ!」

郁「うん!」

私たちはとても仲が良かった。

いつでも、

一緒だった。

棗「僕、郁ちゃん大好き!」

郁「私も棗ちゃん好きだよ!」

棗「本当!?」

郁「うん!」

その時の、

棗ちゃんはとても笑顔だった!

今、目の前にいる妖鬼のように。


次の日から、

棗ちゃんが遊びにくることはなくなった。

なぜかは、わからなかった…