【短】天使と悪魔のバレンタイン

昔からパパとママのケンカを見ながら育ち、笑う事と同時に泣く事も忘れてしまった女の子。


笑顔を取り戻した今、涙までもが舞い戻っていたのでした。


「バカ……ウッ……」


次々流れる涙を拭いてると、急に目の前が暗くなりました。


「…………え?」


女の子の唇に、暖かいものが触れています。


ソレが男の子の唇と気づくまで、瞬きを何回も繰り返しました。


「!!な……」


「―――――…ごめん」


「ふ……ふざけないでよっ!!」


唇が離れた瞬間、ポツリと謝られ、女の子の怒りは大爆発してしまいました。